こんにちは、タラさんです。
こうすればキャッチボールは上手になる!
前回、前足の動き「L字」ステップ、「くの字」ステップについて触れました。今回はステップのきっかけとなる並進運動(体重移動)中の後ろ足(軸足)の動きについて考えます。
ここは、よく問題となる「身体の開き」と非常に関係が深い部分です。
では、参りましょう。
1.ステップ(並進運動=体重移動)のきっかけは軸足の動きから
さて並進運動によって体重・重心移動が行われるます。
野球においては「下(半身)を使う」とよく言います。
これは「下半身主導で体重・重心移動を行うこと」を表現しています。
1)並進運動のきっかけ
並進運動は横から見ると
後ろ足(軸足)の股関節が水平移動する動きです。
後ろ足に注目すると一本の棒が目標に向かって倒れていくイメージをまず持ってください。
つま先の動きに注目すると「L字」に動きます。
この時ですが、
後ろ足の股関節をお尻側に引き込んだまま移動する。
のがポイントです。
2)股関節の引き込みの作り方
お尻を引いて後ろの壁に寄りかかるイメージ。
ユニフォームの後ろ股関節あたりにシワが入ります。
お尻の方へ重心を向けることを意識しましょう。
スクワットのフォーム作りを行う際、お尻を引くイメージで股関節部分に物をはさんだ感じを作ります。これによってつま先よりも前にひざが出ない姿勢ができます。
こここが大切です。
【パワーポジション】の姿勢でしたね。
投げる動作においてもこのパワーポジションを作ってから動き出すことが必須です。
少し足の長い高椅子に座る姿を想像しながらお尻を後ろに引いていくとスムーズに行えます。
軸足側のお尻に体重がかかり
中腰の姿勢で立っていられれば大丈夫です。
大腿骨が股関節にスポッとはまり込む感覚がつかめると
ベストです。
そして、この股関節の位置をキープしながら
軸足を45°に倒していくのが下半身の使い方です。
2.体重移動中の身体の開きをどうやって抑えるか
軸足から倒れて出して、並進運動(体重移動)が始まります。この時の倒れていくスピードと骨盤が前方へ移動する距離(踏み出し幅)が長いほどボールへ伝わるエネルギーは大きなものになります。ですから、前足の着地までの間、身体の開きは抑えておくのが理想です。これが「身体を開かない」ということです。
ここで前回説明した「前足」の動かし方につながります。
1)「L字」
この場合、軸足に一旦体重が落ち、重心も下がります。
降りてくる足と一緒に身体が沈みこむイメージです。
体重は軸足に少し残り気味のところから軸足を倒していきます。ですから、上体の開きはグラブ側の腕を斜め前に差し出すことで抑えられます。
2)「くの字」
前足を内側にひねり、キックをするイメージ。
これは重心を高い位置のまま軸足を一気に倒します。
そこで1)よりも加速のついた状態ですから
身体の開きを止めるにも手と足をグッと内側に捻ることが必要になってくるわけです。
この足の部分も意識して行う動作ではなく
体重移動の結果、自然に「くの字」になると
考えた方が良いですね。
それでも、あえて言えば、目の前にある仮想の壁に
1)は手をついて、2)は手と足をついて
上体の開きを抑えていると言えるでしょう。

腕の位置はどうなっていれば良いのですか?

どうしても形・フォームにこだわってしまうんだね。
腕の考え方は「足の動きに合わせる」。
どうするこうすると考えない方が良いのです。
腕は自然に身体のバランスを保つ位置に収まります。
ここも変に意識しすぎると返って力みが生まれます。
意識した方が良いのは下半身だけ。
色々な選手の写真を見てみると
前足と腕は同じような動きで身体のバランスをとっているのがわかります。ひざが伸びている時はひじも伸び、ひざが曲がっている時はひじも曲がって今ませんか。
足の動きに手が連動するのですね。
あくまで動き出しは下半身からです。
ですから、下半身の動きだけを意識することです。
そして、「ひじ」は目標に照準を合わせる。
ここだけは狂わさないようにしておくだけです。
3.軸足のひざに注意!ここさえ間違わなければ身体の開き、インステップも防げます
1)ステップで避けたい2つのこと。
①身体の開きが早くなる。
②インステップする。
一応、【インステップの基準】は
軸足のカカトから目標に向けて真っ直ぐのラインを引いたとき、それより右側に踏み込んだ場合とします。

この2つを防ぐにはどうした良いのでしょうか?

いい質問だね!
これも、最初の動き出しのきっかけとなる
股関節の引き込みをしっかりと作ることが前提です。
そして、この時の注意は
あくまで後ろの腰、後ろの股関節を引き込むことです。
前の腰、前足の股関節を捻ることで後ろの股関節を引き込ませるのではありません。
ただ、形としてはそう見えてしまいます。
ですから要注意なのです!
前の腰から動き出すと、結局、前の腰から身体の開きは引き起こされます。
その上で
1)後ろ股関節部分を目標に向かって水平移動させる。
2)軸足を45°で倒していく。
この時ひざをできだけ伸ばしておくことがポイントです。
特に一旦重心を下げてから動き出すタイプは、どうしても軸足のひざが前に出ます。この時必要以上にひざが前にでないようにするため股関節を引き込むのです。
つま先よりひざが目に出ると
・上体が後傾します。
上体は早くから開いてしまいます。
・上体が前屈みになる場合もあります。
股関節の引き込みができずに体重移動を行うので
インステップになります。
インステップだと身体は窮屈になるので
どうしても早く早く開こうとします。
また目標から視線もズレるので
それを無意識に修正しようとするため身体が開きます。
口酸っぱくいいますよ。
「パワーポジション」の姿勢を思い出してください。
この時のタブーは
「ひざをつま先より前に出さない」でした。
それがここでも大切になります。

前足着地の時も同じ考え方です。
こうして見てくると
歩幅はスパイク何足とは決めずらいですね。
軸足を倒していった結果として
その個人に合った幅が決まってきます。
4.まとめ
- 脚上げにより位置エネルギーをためる。
- 軸足股関節を後方(かかとよりお尻側)に引き込みその状態のまま投球方向に直進
- 上半身は目標を肩越しに見続ける姿勢をキープし水平移動
- 前足着地とともに体幹の回転スタート。腕はそれに伴いトップの位置に移
- 歩幅は軸足45度の傾きの結果、自然とステップした結果で決まる
最後までお読みくださりありがとうございます。
また、次回をお楽しみに!