こんにちは、タラさんです。
こうすればキャッチボールが上手くなる!
キャッチボールをしていて最大どのくらいの距離をとって投げていますか?
いわゆる「遠投」です。学年が上がり、身体に筋力がついてくれば問題はありませんが、それでも投げすぎはアウト、まだ身体が出来上がっていない小学生くらいの子どもたちには無理な「遠投」はさせない方が良いですね。
今回は「遠投」について考えて行きます。
では、早速参りましょう。
1.筋力のない子どもに遠投は百害あって一利なし。
良い野球選手の条件の一つに「強肩」が挙げられます。
あるいは「肩が良い」とも表現します。
では何を持って「強肩」と判断するのでしょうか。
一つの目安になっているのが「遠投力」でしょう。
どれくらい遠くに投げることができるのか
その投げた距離を測定して判断します。
一般的に高校生以上は「90m以上」が判断基準ではないでしょうか。
これはプロ野球の一般公募入団テストの際の基準でもあります。
この距離を投げられないと失格となり、実技試験すら受けられません。
そこで長い距離を一所懸命投げる「遠投」を繰り返す練習が行われます。
これ、何も言わずに投げさすと
年齢の小さい子どもほど
空に向かって投げようとします。
ボールの軌道はいわゆる「山なり」。
これ、実は「悪い遠投」です。
実際のプレー中、送球が山なりではアウトが取れません。また送球の間に走者に余計な塁を奪われてしまいます。
野球の目的は走者をアウトにすること。
遠くに投げることが目的ではありません。
アウトにするためには
低い軌道でスピードのある回転の良い強いボールを投げることが必要となります。イチロー選手がMBLで観衆を魅了したあの「レーザービーム」が格好のお手本です。
しかし、この遠投は全身の力を上手に使わないと
低く速く強く投げることはできません。
やはり、ある程度の筋力がないと
身体に無理がかかります。
そういう意味で小学生、特に低学年の子どもたちには
初めから遠投はさせない方が良いでしょう。
それぞれの体力に合わせて山なりにならない距離をとり
低く、強く、速いボールを投げ合うことが投げる力そのものを向上させてくれます。
矢のような送球を目指しましょう。
2.そもそも「遠投」練習は何のため?
本来、「遠投」のもつ意味、目的は何でしょうか?
1.で説明した通り、
遠くへ投げるための練習ではありません。
ずばり「体重移動」と「ボールの質」の確認。
体重移動がスムーズに行われれば、
身体にため込んだエネルギーがボールに伝わり、
キレの良いボールが投げられます。
無理のない身体全体を使った緩やかなフォームで投げると決して力むことなく軽くボールを放すことができます。
そうなれば、きれいな軌道を描いて
ボールは真っ直ぐと飛んでいき耐空時間も長く
自ずと長い距離に到達します。
調子の悪い投手をブルペンで投げ込ませて直すより
ゆったりとキャッチボールさせながら
身体のバランスを調整していく方法をとるのが有効なのは、このような観点からの指導法です。
3.「遠投力」よりも「コントロール」を向上させよう。
では子どものうちは何をやらせるのが良いのでしょうか。
それは「コントロール」をつける練習。
コントロールの向上のためには
リリースポイントを一定にすることが大切です。
どこでボールを離したら良いのか、
これはもう感覚で掴んでいく世界です。
筋力は学年が上がることについてきます。
適度なトレーニングを行えば
簡単に筋力アップは可能です。
しかし、感覚の部分は
年齢の若いうちに数をこなすことで
養われていくものです。
決して筋力を先につけようとは考えないでください。
何事も順番があるのです。(下のグラフ参照)

(参照:宮下充正「子どものスポーツ医学」)
となると「遊び」「ゲーム」感覚の中で繰り返していく。
これが大事になります。
おすすめは【的あて】
ひざをついて(あるいはイスに座って)
標的を目かけての投球
・3〜4mの距離
・30球で何球ストライクかを記録。
・投げ方、フォームについては何も指示しない。
・最初はテークバックを取らずに投げる方がベター。
始めからトップを作り、その状態から投げる。
これの良いところは
放っておいてもヒジの使い方が押し出す(Push)型から
ムチをしならせる(Whip)型に徐々に変化していくこと。
あれこれ細かい指導は入りません。
指導者の立場では理屈としてダーツの投げ方が参考になります。
4.まとめ
まだ筋力のない子どもには「遠投」は無理があります。
本来、低く強くスピードのある速い送球が目指すところ。イチロー選手のレーザービームがお手本です。
ただ、いきなり、ここを目指すのでなく
年齢にあったスキルをしっかり身につける方が
身体に無理がかかりません。
そのためにも遊びの中で
まず「コントール」を身につけていきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございます。
では、次回をお楽しみに。